平成20年に実施された割賦販売法と特定商取引法改正はネット通販に影響の出る可能性が

指定商品制・役務制の廃止

平成20年に改正特定商取引法及び改正割賦販売法が成立しました。この法律の成立によって、ネット通販業者にいろいろと影響が出てくるのではないかと予測されています。

まずが指定商品制・役務制が廃止されました。従来の法律だと、指定された商品とサービスに対して、特定商取引法と割賦販売法が適用されました。

逆に言えば、指定対象外の商品とサービスを取り扱うのであれば、法律の規制を受けずに済むとも解釈できます。その結果、法の抜け道を使って悪徳商法が登場する余地がありました。

そこで改正特定商取引法及び改正割賦販売法により、この商品やサービスの指定を廃止してしまいました。どのような商品やサービスであっても、原則特定商取引法と割賦販売法の規制を受けることになりました。つまりネット通販業者は今後どのような商品を取り扱うにしても、法律の順守が義務付けられます。

販促目的のメール送信は事前承諾が原則に

従来の法律の下では、オプトアウト制度が適用されました。
この制度ですが販促メールは受信者が「メール送信を注視してほしい」と申し入れをしない限り、販促メールを送信することができました。しかしこれは迷惑メールの大量送信の原因となりえ、問題視されていました。
その結果、改正特定商取引法及び改正割賦販売法の中でオプトイン制度を導入することになりました。

つまり今までとは全く逆で、販促のための電子メールを送信するためには、受信者に事前に承諾を受ける必要があります。
ネット通販の場合、これらのルールのほかにも特定電子メール適正化法も規制を受けています。

特定電子メール適正化法の中でも、受信者の事前承諾が必要と規定されています。
しかし例外もあって、自己のメールアドレスをたとえばブログ上などで公表している場合が挙げられます。
しかし今回改正された特定商取引法の中には、このような例外規定はありません。
つまりどのような場合でもネット通販を営んでいる業者は受信者に事前承諾を得ないと、広告メールを送信することができなくなります。

返品特約の民事上の効果が加わる

ネット通販業者は返品特約の有無とその内容について、サイト上などに明記することが義務付けられていました。
しかし従来の法律の下では、記載がない・不十分な場合、行政取り締まりの多少にはなりました。
一方で、法律違反をした場合返品が可能になる、売買契約が無効になるといった民事上の効果までの規定はなかったです。

しかし今回の改正特定商取引法及び改正割賦販売法によって、民事上の効果も明記されました。具体的には、返品特約の記載がない、わかりにくい場合には商品などを受け取ってから8日以内であれば、無条件でその商品を返品できるようになりました。

割賦販売法改正の安全管理義務

ネット通販の場合、代金受け取りの方法としてクレジット決済を採用しているところも多いでしょう。ネット通販で買い物をした人はお分かりでしょうが、クレジット決済をする場合には自分のカード情報と有効期限を注文フォームに入力します。ネット通販業者は、このような購入者のカード情報を得ることになります。

もしこのような重要な個人情報が何らかの事情により、ネット通販業者から漏えいしてしまった場合、直接的な取締規定はありませんでした。
しかし今回の割賦販売法の改正によって、ネット通販業者はクレジットカード番号等保有事業者に認定され、個人情報の安全管理義務が課せられるようになりました。

個別信用購入あっせんの際のクーリングオフ

割賦販売法の改正の中で、個別信用購入あっせんの規定が加えられるようになりました。
個別信用購入あっせんとは具体的には、ネット通販で販売している商品を購入するにあたって、クレジットカードを新規に作成させるような方法です。

もしこのような新規カード作成で支払い手続きを行った場合、今後クーリングオフが適用されるようになります。このクーリングオフは、ネット通販業者と消費者における商品・サービスの売買契約自体にも適用されます。

最終確認画面の表示の重要性が増す

ネット通販の場合、消費者が注意しないといけないのは、注文を出すときにうっかりミスしてしまうことです。このようなうっかりミスをなくすために、改正特定商取引法及び改正割賦販売法ではネット通販業者に対して、最終確認画面を出すように求めています。

もちろん今までも求めてきたことですが、それ以上に重要性が今回の改正で増しています。

ネット通販業者が最終確認画面を掲載するにあたって、いくつかポイントがあります。
顧客の意思に反して申込させようとする行為の制限や電子消費者契約における錯誤無効の主張、返品特約の明示、メール広告を出すにあたっての事前承諾取り付けなどの対応についてわかりやすく記載する必要性が出てきています。

このように改正特定商取引法及び改正割賦販売法によって、ネット通販業者も今まで以上に厳格になってきています。

ちなみに改正特定商取引法及び改正割賦販売法によってクレジットカードによる取引におけるトラブルが起きたとします。

その場合消費者が相談できる窓口として、経済産業省の消費者相談室や日本クレジット協会という社団法人の消費者相談室があります。
何か気になることがあれば、こちらで相談するといいでしょう。