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利用者は拡大しているけれども…クレジットカード業界が厳しい環境にある3つの理由

異業種が続々新規参入して競争が激化

オンラインショッピングの普及や利用できる施設の増加によって、クレジットカードを利用する頻度が増えてきています。
このため、クレジットカードマーケットの市場規模は拡大傾向が続いています。

今ではクレジット決済が全体の1/5前後にまで増えてきているので一見するとカード業界は好調のような感じがするでしょう。
ところがクレジットカード業者の実情を見てみると、決して右うちわ状態ではありません。

クレジットカード業者が厳しくなっている理由にはいくつかありますが、その中の一つに新規参入の増加が挙げられます。

近年の動向を見てみると、JRグループやトヨタ自動車、ソニーなどの異業種の有力企業がカード業界にどんどん参入しています。

また業界の再編統合の動きも活発になってきています。

たとえば業界トップは、三菱UFJニコスです。この三菱UFJニコスですが、信販系のトップだった日本信販がUFJカードと統合してUFJニコスとなり、そこにさらにDCカードとも統合されて、三菱UFJニコスという大連合組織になったのです。

そのほかにも流通系のトップとして、クレディセゾンがあります。このクレディセゾンもみずほグループのUCカードと統合しています。

それまでクレジットカード業界ですが、銀行系や信販系、流通系といった感じで業界別の系統が整然としているところがありました。
しかしその境界線がどんどんあいまいになってきて、ライバルが増えたことで厳しい競争環境の中に身を置かなければならなくなりました。
厳しい競争環境ですが、ポイント還元率などにも表れてきています。
たとえば誰でも手軽に持てるクレジットカードということで、年会費無料のクレジットカードが出てきていることはご存知の方も多いでしょう。

年会費無料のカードの場合、ポイント還元率などスペックの部分ではあまり期待できないのが今までの常識でした。しかし最近では、年会費無料でも高ポイント還元率を誇るカードも出てきています。
たとえばオリエントコーポレーションから発行されているOrico Card THE POINTは、年会費無料ながらネット通販で利用すると1.5~2.5%のポイント還元率のつく可能性があります。
これは年会費無料にとどまらず、クレジットカード全体で見ても屈指の好還元率といえます。そのほかにも年会費無料で、還元率1.0%を超えるカードもいろいろと出てきています。

このようにいろいろと各クレジットカードとも、特典を充実させることで新規会員の獲得をしています。
少しでも会員に還元できるような特典を付けて、ほかのカードではなく自分のところのクレジットカードを持ってもらうために、いろいろと知恵を振り絞っているといったところです。

右肩上がりの状況は続かないかも

これまでのクレジットカード業界ですが、右肩上がりの状況がずっと続いていました。
クレジットカードの登場時には、高額商品を購入するためのツールとして広く親しまれてきました。それが徐々にスーパーやコンビニで販売されている日用品でも利用されるようになり、用途が拡大していきました。

さらに公共料金や高速道路の代金、病院の治療費、さらには国民年金などもカード払いができるようになりつつあります。
決済できる領域が広がったことで、消費者はクレジットカードを使う頻度は増えてきています。ただしそろそろ「出し尽くした感」が出てきているのです。

もうこれ以上ほかに、クレジットカードの使える領域が新規で出てくる可能性も高いでしょう。クレジットカード業界は成長期がそろそろ終焉しそうで、成熟期を迎えつつあります。このため、近い将来クレジット業界は頭打ちの状態に陥るのではないかという指摘も経済の専門家の間では出てき始めています。

キャッシングの収益が期待できない状況

クレジットカードをお持ちの方であればお分かりでしょうが、カードにはショッピング機能のほかにもキャッシング機能がついています。
提携しているATMなどを使って手続きをすれば、一時的に現金を借り入れることのできるサービスです。このキャッシングの収益が、ある時期から激減していることもクレジットカード業界を取り巻く環境の厳しさに関係しています。

なぜキャッシング収益が激減したかですが、改正貸金業法が大きかったです。改正貸金業法以前は、グレーゾーン金利というのがありました。

金利を決める法律は2種類あって、利息制限法と出資法がそれです。利息制限法は年利20%・出資法は29.2%を超えて利息を受け取ってはならないというルールです。しかし出資法は罰則規定があるのですが利息制限法は罰則がありませんでした。

その結果、利息制限法を超えて出資法以下の金利設定にしている貸金業者は結構多かったのです。この金利がグレーゾーン金利と長らく呼ばれてきました。

ところが改正貸金業法で、金利の上限は18%と統一されました。これによって、キャッシングで受け取ることのできる利息は11ポイント近く下落してしまいました。

例えば三菱UFJニコスの2007年9月、改正貸金業法が施行された後の中間決算を見てみると、キャッシング収益は785億円を記録しました。これは前中間期の867億円と比較すると、1割近くの減少になります。
しかも金利引き下げの影響はこれ以降本格的に出てくるので、さらなる収益の減少が予想されます。

このようにクレジットカード業界は、今までのビジネスモデルがもはや通用しない状況になりつつあるのです。このため、従来にとって代わる新たな収益確保の方法を模索する必要があるわけです。

クレジットカードの新たな需要喚起

新たな需要が少ないとされる中、工夫次第でまだまだクレジットカードの利用には可能性があります。
いままでクレジットカードが得意としていなかった、少額の買い物へのカード対応がそのひとつです。

かつて銀行が扱いを嫌がった、公共料金の支払いに目を付けたのはコンビニです。塵も積もれば山となり、コンビニの公共料金や社会保険料の取扱いは、多大な収益を生むようになりました。
同じように、少額の買い物にも無限の可能性があります。

クレジットカードの少額利用に関しては、ノーサインであることが必須です。サインや、たとえ暗証番号入力であっても、なにかしらの手間が発生する場合、少額の場合は避けるのが普通です。
スーパーなどでは、少額の場合サインレスで決済ができるようになっています。
そこからさらに進んで、スマートフォンの普及と足並みをそろえ、電子マネーと同じ感覚でクレジットカードの引落しが可能になってきています。
すでに、「Quick Pay」や、「Apple Pay」など、スマートフォンをかざすだけで決済できる仕組みが増えてきています。

使っている技術は、「Felica」で、電子マネーと同一です。電子マネーと同じ仕組みですが、クレジットカードから利用料金の引落がされるため、その効果はクレジットカードを使った場合と変わりません。
これとよく似ていますが、クレジットカード自体をスマートフォンで決済できる仕組み、いわゆる「スマホ決済」または「モバイル決済」という仕組みもスタートしました。

この代表に「楽天ペイ」があります。お店の提示する画面のQRコードをスマートフォンで読み取るだけで決済ができます。接触タイプの「Quick Pay」などと比べると少々面倒な印象もありますが、こちらはあくまでもクレジットカードの支払なので、利用上限がありません。

「楽天ペイ」などの「モバイル決済」は、店舗の側にも負担が少ないので、今後小規模店舗においては重要な仕組みとなる可能性があります。今まではクレジットカード手数料の支払に二の足を踏んでいたお店でもクレジットカードが利用できるようになる可能性が高く、クレジットカードの需要喚起に資するところは大きいでしょう。

ふるさと納税

現金払いを、クレジットカードに移行できればカード需要が増えます。税金もこのひとつです。
住民税をクレジットカードで支払える自治体も出てきていますが、まだ少数派です。
自治体としては、確実に引落しができるメリットの一方、カード会社に支払う手数料が馬鹿にならないので、導入を躊躇せざるを得ないようです。

しかし、すっかり定着した「ふるさと納税」であれば、当然にクレジットカードが使えます。
「ふるさと納税」自体、2,000円の実質負担だけで、これを越えるメリットを受けられるお得な仕組みです。さらに、クレジットカードのポイントがこれによって溜まります。
地元の自治体に現金で支払うのであれば、なにも生み出さない税金納付が、「ふるさと納税」を利用することにより、有意義に活用できるわけです。

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