クレジットカードを使うにあたって怖いのが「不正利用」です。
カード番号と暗証番号が分かれば第三者が自由に支払うことができてしまいます。
「実際に不正利用に遭ってしまったけれどどうしたらいい?」
「もしかすると不正利用に遭っているかもしれない。調べる方法はあるの?」
といった意見も。
そこで本記事は不正利用の確認方法、対処方法、手口などを解説します。
最後までしっかりと目を通し、クレジットカードの不正利用対策を身につけておくことが何よりも対処方法になってくれるでしょう。
目次
身に覚えのない請求があった際に、まず最初に確認したほうが良いこと
不正利用が発覚するのは「身に覚えのない請求があったとき」です。
まずは何を確認するべきなのかをみていきましょう。
利用明細書に書いてある情報の事実確認
請求の内容は利用明細書を確認すれば把握できます。
支払い先や支払い金額を確認すると同時に、次の2点も併せてチェックします。
- 本当に自分が使用していないか?
- 身内の利用がないか?
クレジットカードでありがちなトラブルとして「利用した店舗と請求先が異なるケース」が挙げられます。
店舗名ではなく、大元の会社や運営会社から請求されることは頻繁に起こるので、まずはそれを疑いましょう。
手元に領収書があるならそちらを確認。
購入した商品と金額が一致していればこのケースに当てはまったと考えられます。
身内が勝手にクレジットカードを利用するケースも少なくありません。
また家族カードを発行している場合も注意が必要です。
基本的に家族カードの利用額は本カードに請求されるので、家族の誰かがカードを使っていないか確認しましょう。
支払われたECサイト側との事実確認
上記したケースに当てはまらない場合は、不正利用の可能性が大幅に高まります。
今後の手続きのためにも、次の2点を必ず確認してください。
- 不正に購入した商品が何なのか
- 金額はいくらか
詳しくは後述しますが、クレジットカードには不正利用時の補償が設けられています。
申請手続きで必要になるので控えておくようにしましょう。
またWEB明細を利用している方は明細画面のプリントアウトまたはCSVファイルのダウンロードを忘れずに。
自分のカードが不正利用・使用されたとわかった時の対処法
ここからは不正利用されたとわかったときの対処方法を詳しく説明しましょう。
具体的には次の4つを行います。
- カード会社への連絡
- ECサイトへの連絡
- 警察に被害届の提出
- クレジットカードの再発行
それでは内容を見ていきましょう。
クレジットカード会社に連絡
まずはクレジットカード会社に連絡します。
各カード会社に必ず「紛失・盗難専用ダイヤル」が設けられているので、そちらに電話しましょう。
カード裏面に記載されている連絡先に電話してもOKです。
ただし、各カード会社ごとに不正利用時で補償される対象期間が設けられているので、速やかな連絡を心がけなくてはなりません。
商品が購入されたECサイトへ連絡
不正利用されたECサイトに連絡を入れて、請求をストップしてもらいましょう。
もし商品が未発送の状態なら、発送を止められる可能性もあります。
「お店側に非はないから連絡しなくても良いのでは?」
と思うかもしれませんが、ECサイト側でも様々な手続きを行う必要が出てきます。
よりスムーズな不正利用対処のために、面倒かもしれませんが連絡を入れましょう。
警察に連絡する
必須ではありませんが、警察に被害届を提出しましょう。
カード会社によっては不正利用補償のために被害届控えの提出を求める場合があります。
クレジットカードの再発行
不正利用されたカードは利用停止手続きが取られるため、2度と使えなくなります。
そのため、新しいクレジットカードを発行してもらう必要がありますね。
基本的には盗難・紛失ダイヤルに連絡を入れた時点で同時に再発行手続きが行われます。
新しい番号のカードになるため、旧カードでクレジットカード払いに利用していたサービスは番号変更手続きを行わなくてはなりません。
例えば次の3つが挙げられます。
- 公共料金(ガス代や電気代など)
- 通信費用(携帯電話料金、プロバイダ代など)
- その他(SpotifyやAmazonプライムなどの定額サービス)
不正利用の手口はどんなものがあるのか?
不正利用したい悪い人は様々な手口を用いてカード番号や暗証番号を盗み出そうとしています。
その手口を知っておけば、次からは引っ掛かる可能性を減らすますよね。
そこでここからは、不正利用の主な手口として次の6つを紹介していきます。
- なりすまし
- フィッシング詐欺
- スキミング
- ネットショッピング詐欺
- 悪質出会い系サイド
- EC 事業者による情報漏えい
それぞれ詳しくみていきましょう。
なりすまし
不正利用の代表的な手口です。
第三者がカード契約者本人になりすまして買物などを行います。
もちろんカード番号や利用期限、暗証番号を知っていないとなりすましは不可能。
後述する様々な手口を用いて、これらの必要なデータを盗み出そうとします。
フィッシング詐欺
カード会社や通販サイトを装ってカード情報を入力させる手口です。
多くはメールが送られてきます。
代表的な内容は次の3つ。
- カードの有効期限が近づいているので更新手続きを行ってください
- カード請求額が〇〇万円です。詳しい内容をサイトで確認してください
- キャンペーンに当選したので手続きを行ってください
スキミング
スキャナーを使ってカードのデータを盗み出す出口です。
例えば次の場所でスキミングされるケースが多発しています。
- ホテルやスポーツジム
- コンビニATM
- ショッピングモール内ATMや独立型銀行ATM
特にATMを利用する際は、カード挿入口に不審なスキャナーが取り付けられていないか確認しましょう。
いつもと異なるようだったら利用を避けたほうが無難です。
ネットショッピング詐欺
架空のネットショップを作り、クレジットカード決済を促します。
入力したカード情報をそのまま抜き取るという手口。
もちろん商品が届くことはありません。
次の3つのいずれかに当てはまるサイトに注意しましょう。
- 見たことも聞いたこともないサイト
- 日本語表記がおかしい
- 極端に安い商品ばかりが並んでいる
巧妙な手口になってくると、大手ネットショップに似せた作りになっていることもあるので、利用はより注意深く行いましょう。
悪質出会い系サイド
出会い系サイトに登録させ、ポイントをカード決済させます。
出会い系サイトを使ったという事実から、不正利用を受けていることがわかっていても訴えない人も多いです。
EC 事業者による情報漏えい
個人や中小が運営しているECサイトを攻撃し、個人情報を盗み取る手口も多いです。
これに関しては私たち消費者ではなく、事業側の問題になりますが、より高度なセキュリティを導入しているサイトでなければカード決済を選ばないのが無難でしょう。
不正利用・使用の補償はどうなるのか?
万が一不正利用されてしまった時に備えて、各カード会社は補償を用意しています。
ここからは補償に関する内容を見ていきましょう。
カード会社の対応について
基本的にすべてのカード会社が不正利用に対する補償を用意しています。
ただし補償期間が設けられているので注意が必要です。
各社によって期間が異なりますが、多くは申請時から60日以降の不正利用に対して補償期間を設けています。
対象期間以前の不正利用に関しては補償されないため、普段から利用明細を確認し、いち早く不正利用に気づけるように備えておかなくてはなりません。
不正利用された金額は引き落としをかけられる?
不正利用の届け出を出した時点で、請求がストップするので引き落とされる心配はありません。
ですが支払い日までに届け出を出せなかった場合は、一時的に請求されてしまうことがあります。
そうなった場合はサポートセンターに連絡して指示を仰ぎましょう。
事実を調査する時間はどのくらいかかるのか?
これは状況によって大きく異なるので一概には言えません。
約1ヶ月~3ヶ月程度の期間を見積もっておきましょう。
また調査が完了し、無事に保障を受けられたとしても、調査結果の詳細を教えてもらうことはできません。
モヤモヤするかもしれませんが、補償が受けられた時点で十分だと考えるようにしましょう。
認めてもらえない場合はどんなとき?
不正利用の補償は無条件で受けられるわけではありません。
時には認めてもらえないことも。
当てはまるケースとして次の3点が挙げられます。
- カード期間内に不正利用の事実を報告しなかったとき
- 利用者側の明らかな過失があった場合など
- キャッシングに関する被害の場合
利用者側の明らかな過失の一例は次の3つ。
- 安易な暗証番号(生年月日や車のナンバープレートなど)
- 友人や家族に貸した
- カード裏面にサインがされていない
特に暗証番号は「忘れたら大変だから」という理由で自分が覚えておきやすい数字を設定してしまいがち。これは避けるべきです。
また「キャッシングに関する被害」ですが、こちらはカード会社によって対応が異なります。
クレジットカードはキャッシング枠を申請すれば現金の借り入れができます。
借入時には暗証番号の入力が必要なので、そう簡単に第三者が不正利用できない仕組みになっていますよね。
ショッピング保証補償とオンラインプロテクションの違い
クレジットカードの似たような補償制度に「ショッピング補償」と「オンラインプロテクション(不正利用補償)」があります。
しかし内容は異なるものなので混同しないように注意しましょう。
ショッピング補償
クレジットカードで購入した商品が壊れたり、盗まれたときに補償してもらえるサービスです。
当然、自分自身で購入したものが対象。高額な買物をしたときでも心強いですね。
カードによっては用意されていないことも。
またカードによって年間補償額や自己免責額(自己負担)が異なります。
オンラインプロテクション
不正利用によって損害を受けた場合、被害を補償してくれるサービス。
ここまでに紹介してきた不正利用補償が該当します。
カード情報を盗まれないために日頃から気を付けることとは?
不正利用補償が用意されているとはいえ、不正利用のリスクは極力避けたいところ。
そこでここからはカード情報を盗まれないために気をつけたいポイントを2つ紹介します。
- 不正利用補償付きカードを選ぶ
- 危険なサイトにアクセスしない
それぞれ詳しくみていきましょう。
不正利用補償付きクレジットカードを使う
基本的に各クレジットカードに不正利用補償が用意されていますが、申込前に必ず内容を確認しましょう。
特に注目したいのは補償期間の長さ。
ほとんどが60日に設定されていますが、中には90日以内などより長い期間にわたって補償するカードもあります。
(例:楽天カードは90日)
危険なサイトへの非アクセスやクレジットカードの管理の徹底
怪しいサイトにうかつにアクセスしないこと。
また不審なメールのURLはクリックしないようにしましょう。
ウイルスソフトによっては、危険なサイトにアクセスしようとした際にお知らせしてくれるもののあります。
ぜひ導入を検討してください。
もちろんクレジットカードの管理も重要です。
人の目に触れないところに保管するようにしましょう。
まとめ
クレジットカードの不正利用、確認方法、対処方法などを紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
ポイントをまとめると次の3つになります。
- 不正利用は早期発見が大原則。普段から利用明細をこまめに確認し、発覚したらすぐにカード会社に連絡
- カード会社のほとんどは60日の補償期間を設けている
- 不正利用の手口を知り、引っかからないように注意する
不正利用はある程度は自分が気をつけていれば回避できます。
それでも巧妙な手口によって被害を受けてしまうことも。
この記事をしっかりと読めば、万が一不正利用にあたってしまった時も慌てずに適切な対処を取れるようになります。
冷静な判断・行動を心がけましょう。