お金に困ったときに頼りになるカードローン。
しかし無計画な借入をすると、返済に困って、生活が破綻するリスクもありますよね。
そのため、カードローンを利用するときは必ず「返済計画」を立てなくてはなりません。
「返済計画ってどんなふうに立てれば良いの?」
「自分にあった返済額っていくらくらいなんだろう?」
そこで本記事は、返済計画を立てるポイント、具体的な返済額の決め方などを詳しく解説していきます。
この記事を読めば、誰でも自分に合った返済計画を立てられ、トラブルの無いスムーズな返済を実現できるでしょう。
カードローンを利用中の方も、これから申し込もうと考えている方も参考にしてくださいね。
目次
返済計画を立てる上での3つのポイント
返済計画を立てるためには、次の3つのポイントをチェックすることが大事です。
- 現状での借入先と借入額の把握
- 自身の収入から返済できる額を計算
- 返済シミュレーションで詳細な返済計画を立てる
それでは各チェックポイントの詳細をみていきましょう。
現状での借入先と借入額の把握
返済計画を立てるために、まずは現状の借入先および借入額を正確に把握することが重要です。
例えば…
A社から10万円を金利18.0%で借入
B社から20万円を金利17.8%で借入…
といったように、しっかりとリストアップしてみましょう。
同時に、各借入先の利息も計算します。計算式は次のとおりです。
利息 = 借入残高 × 実質年率 ÷ 365 × 利用日数
上記したA社から1ヶ月(30日)借入した場合だと…
10万円×18%÷365×30日=1479.45…
利息は小数点以下切り捨てなので、1479円の利息を支払わなくてはなりません。
現在の借入状況をリストアップできたら、次のステップへと移行します。
自身の収入から返済できる額を計算
次は「毎月どれくらいの返済額まで対応できるか」を確認しましょう。
具体的には、現在の収入から、毎月の出費を引いて、残ったお金が借金返済に充てられる金額ということになります。
※計算の例
収入(給与) | 27万円 |
---|---|
家賃 | 7万円 |
食費 | 5万円 |
光熱費 | 2万円 |
通信費(スマホなど) | 2万円 |
交際費 | 3万円 |
その他(趣味など) | 3万円 |
残金(返済可能額) | 5万円 |
上の表の状態なら、毎月5万円までなら返済に充てられることになります。
5万円では足りないようなら、食費や光熱費、交際費などを節約するか、年収を増やす必要があるでしょう。
今の仕事だけでは厳しいようなら、バイトやパート、あるいはネットを使った副業なども検討してみてはいかがでしょうか。
もしもこの時点(生活費だけ)で赤字になっているという状態なら、カードローンの返済は実現不可能ということになります。
そのため、お金に困っていたとしても借入するべきではありません。
すでに借金を抱えている状態で、毎月赤字になっているなら「債務整理」を検討する段階に至っている可能性があります。
債務整理については後述する「債務整理とは?」で詳しく解説します。
返済シミュレーションで詳細な返済計画を立てる
現在の借金総額と、毎月の返済可能額が出揃ったところで、いよいよ返済計画を立てていきます。
次は、より詳細な返済計画を立てるために「返済シミュレーション」を活用するのがオススメです。
返済シミュレーションは大手カードローン各社の公式サイトに設置されていて、誰でも無料で使うことができます。
返済シミュレーションは次の2種類が用意されていることが多く、それぞれ利用目的が異なります。
- 返済金額のシミュレーション(入力項目:借入額、金利、返済期間)
- 返済期間のシミュレーション(入力項目:借入額、金利、返済金額)
「毎月〇〇万円なら払えるけれど、どれくらいで完済できるかな?」→『返済期間シミュレーション』
といった具合に使い分けましょう。
返済期間シミュレーションは、利息を含めた返済プランを提示してくれるので、より詳細で具体的な返済計画を立てるのに役立ってくれます。
ぜひ活用してください。シミュレーションの結果、もしも長期間(3~5年以上)の返済計画になりそうなら、債務整理を検討した方が良いでしょう。
借入している額がわからない場合の2つの対処法
「返済計画を立てたいけれど、そもそも借入額が分からない!」という方もいらっしゃるでしょう。
そんなときは次の2つの対処方法で確認できます。
- 借入先への電話や会員ページから確認する
- 信用情報機関に問い合わせ
それでは各対処方法の詳細をみてみましょう。
借入先への電話や会員ページから確認する
手っ取り早く、そして確実に知るなら、借入先に「借入残高を教えてください」と電話で確認するのが良いでしょう。
担当オペレーターに直接尋ねても良いですし、自動音声応答で確認することも可能です。
また、借入先がwebサービスやアプリをリリースしているなら、マイページにログインしてチェックすることもできます。
信用情報機関に問い合わせ
複数の借入先がある、多重債務の状態だと「どこから、いくら借入しているか分からなくなってしまった…」という場合もあります。
そんなときは『信用情報機関』に問い合わせるのも有効な手段のひとつとして覚えておくと良いでしょう。
信用情報機関は、カードローンやクレジットカードの利用履歴を記録している機関。
現在は次の表の3社が運営されています。
信用情報機関 | 主な会員 |
---|---|
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融と信販会社 |
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | クレジットカード会社と信販会社 |
全国銀行個人信用情報センター | 銀行と銀行系カード会社等 |
これらの信用情報機関に電話・ネットで問い合わせれば、10日前後で「情報開示書」が郵送されます。
中にはPCやスマホを使って、ネット上ですぐにチェックできるサービスを提供しているところも!
ただし情報開示を行うためには、申込書と本人確認書類(運転免許証、保険証など)の提出が必要です。
また、開示請求費用として1,000円程度のお金も必要になるため、これらを事前に準備した上で開示請求を行いましょう。
おまとめローンで返済負担を軽減
複数の借金があるなら「おまとめローン」を利用することで、返済の負担を軽減できる可能性があります。
おまとめローンの仕組みを簡単に説明すると次の3ステップ。
- 複数の借金総額相当のお金をおまとめローンから借りる
- 借りたお金で借金を完済する
- あとはおまとめローンに対して返済し続ける
これによって、次の3つのメリットが生まれます。
- 毎月の返済日が1日だけになり、管理しやすくなる
- 月々の返済による負担を軽減できる
- 金利が下がり、返済負担が減る
複数の借金があると「1日はA社に3万円、15日はB社に2万円、月末はC社に5万円…」といった具合に、1ヶ月の中で各社への返済を行わなくてはなりませんでした。
これを管理するのは結構大変ですよね。
しかしおまとめローンに一本化すれば、返済先はおまとめローンだけになるので、毎月1回、決められた金額を返済すればOK!返済管理がグッと楽になります。
また、複数の返済があると、月々の返済額を調整しづらく、生活が苦しくなるケースも珍しくありませんよね。
しかしおまとめローンを使えば、毎月一定額を返済し続ければ良いので、家計への影響を軽減できるでしょう。
そして最も大きなメリットは、おまとめローンに一本化することで金利が下がる可能性があることです。
基本的にカードローンは借入額が大きくなるほど金利が下がります。
必ず下がるとは限りませんが、金利が下がれば利息が減り、総返済額を軽くできるでしょう。
当然、その分だけ返済が楽になる可能性が高いです。
このように、複数の借金に困っているなら、おまとめローンを検討するべきだと言えるでしょう。
ただし注意点もあります。月々の返済額を減らしすぎてしまうと、借入期間が長期化することです。
その結果、利息が発生する日数が増えて、返済総額が膨らんでしまうリスクもあります。
本ページで紹介してきたように、おまとめローンを利用する際も、必ず入念な返済計画を立てて、自身にとってお得に返済できるか否かを判断するように心がけてくださいね。
おまとめローンの詳しい詳細を知りたい方は下記記事をご覧ください。
債務整理には3種類の手続きがある
もしも借金の返済が厳しく、このままでは返済するどころか借金が増える一方だ…という状況に置かれているなら『債務整理』を検討した方が良いでしょう。
ここでは債務整理に関するポイントを5つ紹介します。
- 債務整理とは?
- 任意再生
- 個人再生
- 自己破産
- 専門家に相談して手続きを決める
それでは各ポイントの内容をみてみましょう。
債務整理とは?
まず始めに債務整理とは法的に借金を減額・免責する方法で、自力では返済できない状況に陥った際に用いられています。
債務整理を行うには、弁護士や司法書士に協力してもらわなくてはなりません。
成功報酬を支払わなくてはならないので、お金に困っている人は利用しづらい部分もあるでしょう。
しかし、いつまで経っても完済できない借金・増え続ける借金を背負うことになるよりは解決口があった方がずっと良いはずです。
債務整理には次の3種類があります。
- 任意再生
- 個人再生
- 自己破産
各債務整理を詳しく解説していきましょう。
任意再生
任意再生は債権者(お金を貸した人。消費者金融や銀行)と債務者(借金をしている人)が、借金の返済について話し合う債務整理方法です。
例えば「このままでは返済が不可能なので、利息はカットして、借入額だけ返済すればOK」といったやりとりが行われます。
とはいえ素人が直接「任意再生をお願いします!」と言っても、応じてもらえることの方が稀です。
弁護士や司法書士に、債権者との間に入ってもらって話し合いを進めていくのがスムーズ。
任意再生のメリットとデメリットをまとめると次のとおりです。
- 比較的手続きが簡単で行いやすい(裁判所を通じないこと、そして収入や資産を証明する資料の必要がない)
- 減額が認められれば返済がグッと楽になる
- すべての債権者が同意するわけではない(同意に応じなければ任意再生は成立しない)
- 後述する個人再生や自己破産と比べて減額率が低い(原則、利息カットの方向で進む。元本の減額は難しい)
- 信用情報機関に記録される(ブラックリスト入り)
個人再生
個人再生は裁判所を通じて債務を軽減する債務整理です。
認められれば、債務が大幅に減額(原則5分の1)され、返済の負担を大きく減らせます。
また、個人再生の大きなメリットが「住宅や車などの財産を手放さずに手続きできる」という点にあります。
今の生活環境を最低限維持しつつ、債務を減らせるため、とても強力な債務整理と言えるでしょう。
メリットとデメリットをまとめると次のようになります。
- 債務が原則5分の1まで減額される
- 住宅、車といった財産を残したまま手続き可能
- 残った債務を3~5年で完済できるだけの収入がないと手続きできない(原則3年)
- 信用情報機関に記録される(ブラックリスト)
- 住所および氏名が「官報」に掲載される
官報は国が発行する機関紙のことで、誰でも閲覧できます。
しかし目を通すのはごく一部の人だけですし、世間ではほぼ存在を知られていません。
そのため、さほど気にしなくても大丈夫でしょう。
自己破産
自己破産は裁判所ですべての債務を免責してもらう手続きのことです。
申し立てを行い、裁判所が「支払い不可能」と判断すると税金を除く全ての債務が免責され、支払う必要がなくなります。
ただし債務者が所有する財産はお金に換えて、これを債権者に配当されます。例えば住宅や車、預貯金など。
「プラスもマイナスも、全部リセットする」と考えると分かりやすいでしょう。
とはいえすべての財産を失うわけではなく、生活を送る上で必要なもの(20万円以下の預貯金、99万円までの現金など)を所持することが認められています。
自己破産のメリットとデメリットは次のとおりです。
- すべての債務が免除される
- ある程度の財産は残せる(必要最低限)
- 信用情報機関に登録される(ブラックリスト)
- 官報に掲載される
- 財産を失う
- 警備員や士業といった、一部の職に就けなくなる
自己破産をすると、借金を帳消しにできる一方で、相応のペナルティも課せられます。
あくまでも最終手段として考えましょう。
専門家に相談して手続きを決める
「借金をチャラにしたいから自己破産したい!」といったふうに、自分で債務整理を判断するのは危険ですし、そもそも難しいでしょう。
人によって状況は異なります。どの債務整理が適しているのかは、必ず専門家(弁護士や司法書士)に相談するのがベストです。
「誰に相談すれば良いの?」
「相談するのにお金はいるの?」
と気になる部分もたくさんあるでしょう。
そんな方は『法テラス』に相談することをオススメします。
法テラスは国が設立した、借金、離婚、相続といった様々な法的トラブルを相談するための機関。
法テラスは無料で相談することができ、適した相談窓口を案内してくれます。
また、無料法律相談、弁護士費用の立替えも業務のひとつです。つまり、無料で気軽に借金の相談ができる法律窓口と考えて良いでしょう。
相談先に悩んでいるなら、まずは法テラスに気軽に相談してみてください。
まとめ
今回はカードローンの返済計画の立て方、返済額の決め方、債務整理などについて紹介しました。
ポイントをおさらいしましょう。
- カードローンは計画的に返済しないとトラブルを引き起こしかねない
- 返済計画は現在の借入状況および返済可能額を把握することが大事
- 返済が厳しい場合は債務整理を検討する
以上3点が当記事の要点となります。
「カードローンの返済で悩んでいる」
「ちゃんと返済できるか不安でカードローンに手が出ない」
といった人は、この記事を参考に、返済計画をしっかりと立てて、トラブルの無いカードローン利用を目指してくださいね。