経営していた会社が倒産…会社の借金の返済はどうなるの?

経営がうまく立ち行かなくなり、会社が倒産してしまうこともあります。もしも借金が残っていたら、その借金の返済はどうなるのかが最も気になるところではないでしょうか。

「会社が倒産した際に借金をどうしたらいいのか分からない」
「自己破産を考えているけれど具体的にどうしたらいいのか知りたい」

といった方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は会社が倒産したときの自己破産について紹介していきます。

この記事を読めば、会社経営の自己破産に関する悩みを解決し、適切に対処できるようになります。

会社が倒産した場合、残っている借金は払わないといけないのか?

会社が倒産し、借金が残っている。普通なら借金を返済しなくてはなりませんが、倒産してしまった以上、返済のめどが立たないこともあるでしょう。

まずは倒産時に借金が残っている場合の対処方法から見ていきます。

最悪の場合は自己破産申請をすることで借金を払わなくても良くなる

借金を返済するめどが立たず、どうしたら良いのか皆目見当がつかない…!という場合は「自己破産申請」によって借金を免責できます。

自己破産は弁護士に依頼し、裁判所に申し立て、認められれば借金がなくなります。また同時に自身の持っている財産も没収されます(詳細は後述)。

自己破産は「すべてをリセットして1からやり直す」といった表現をされることが多いですが、まさにそのとおりといえるでしょう。

まずは連帯保証人となっている人に支払い義務が移行する

自己破産が認められれば、申立者は借金を請求されることはなくなります。

しかし、融資を受ける際に連帯保証人となった人に支払い義務が移行してしまいます。

こうなると、連帯保証人は借金を支払い続けるか、もしくは連帯保証人自身も自己破産申請する必要が出てくるんだよ。

え!?連帯保証人が自己破産した場合、ローン会社は誰にも請求することができない状態になりません?

そうなんだ。借金がそのまま帳消し(ローン会社が丸ごと損をする)になるよ!

滞納している法人税なども払う必要がなくなる

法人・会社の自己破産が認められると「法人格」が失われ、法人・会社そのものが存在しなくなります。

そのため法人税の滞納があっても、税金を支払わなくてはならない債務者自体が消滅しているため、法人税などの支払いは不要です。

ただし個人の自己破産の場合だと、滞納税金の支払い義務をまぬがれない場合もあります。ケースごとで対応が異なるため、弁護士に確認した上で適切な対処が求められます。

実は自己破産手続きにもお金がかかる

借金を免責するために自己破産手続きを行うのですが、実はこれにも「予納金」というお金がかかってきます。

では予納金とはどのような費用なのか、そして具体的にいくらかかるのかをみていきましょう。

予納金について

予納金とは裁判所に納める費用のことです。弁護士費用とはまた別に必要となります。

予納金は一律で定められているわけではなく、各裁判所ごとやケースによって金額が異なります。

これを理解するためには自己破産手続きの種類を理解する必要があります。手続きおよび予納金の目安は次の2つ。

  • 同時廃止:数万円程度
  • 破産管財(少額管財):最低20万円以上

同時廃止の場合は数万円程度の予納金で済ませられますが、破産管財の場合は最低でも20万円以上、場合によってはもっと高額になり得ます。それぞれ簡単に説明しておきましょう。

同時廃止

同時廃止は差し押さえ可能な財産が何もない場合に適用される手続きです。自己破産の手続きとともに破産が完了します。比較的シンプルな内容なので少額の予納金で済ませられます。

破産管財

破産管理は清算する財産が20万円以上ある場合に適用されます。差し押さえ処分を行い、様々な手続きを経て自己破産が完了するため、より多くの時間と労力がかかります。

複雑な手続きを行う「破産管財人」という役職の弁護士を選任し、自己破産者の財産を競売にかけたり、できうる限り公平に清算した財産を分配したり…といった仕事を任せます。

破産管財人への報酬が含まれてくるため、破産管財だと最低20万円以上という高額な予納金が発生する、という仕組みです。

自分で破産手続きをしてしまうと余計高くつく!?

一般的に自己破産手続きは弁護士を雇うのですが、自分自身で破産手続きを行うこともできます。弁護士費用を抑えたい、ある程度法律の知識を持っている、といった方が選びがちです。

ですが自身で破産手続きを行うことで結果的により高額な予納金を支払う羽目になることもあります。

自分でやるほうが、安く済むと思ってました。

その理由は「通常管財」と「少額管財」にあるんだ。それぞれ説明していくよ。

少額管財

弁護士に自己破産手続きを依頼することで「少額管財」が利用できるようになります。

より簡易的な手続きとなり、その分費用を安く抑えられるというもの。自己破産を利用しやすくするために生まれた制度です。例えば東京地裁なら最低20万円から。

通常管財

通常管財は予納金が高額になり、最低でも50万円から、債権額によっては数百万円から1,000万円以上の予納金が必要になってくる場合もあります。

確かに弁護士費用もケースによっては数十万円必要となるでしょう。それでも弁護士に依頼することで少額管財が選択できるようになるのは大きなメリットです。

自己破産を考えている方は、まずは弁護士に相談することから始めましょう。

倒産しても財産をすべて失うわけではない

「自己破産=無一文」なイメージを抱えている方もいらっしゃるでしょう。確かに持っている財産は差し押さえられるのであながち間違いではありません。

ですがすべてを差し押さえられるわけではありません。そうなるとまともに生活することができず、自己破産者が路頭に迷うことになってしまいますよね。

そこで注目されるのが「自由財産」です。自由財産は自己破産によって処分されなくても良い財産と定義されています。

認められている自由財産は大きく分けて次の5つになります。

  • 99万円以下の現金
  • 新得財産
  • 差し押さえ禁止財産
  • 自由財産拡張が認められた財産
  • 換価を放棄された財産

それぞれを大まかに紹介しましょう。

99万円以下の現金

法律で決められた自由財産としての範囲。自己破産後、ある程度の生活を送るのに必要な現金として認められています。

なお「預貯金の20万円まで」も同様に自由財産として認められているので、現金+預貯金で最大119万円まで保有することができます。

新得財産

自己破産後に得た利益は新得財産として保有し続けられます。

差し押さえ禁止財産

生活必需品だと認められたものは「差し押さえ禁止財産」として扱われます。例えば家具類や家電製品、事業のための財産(例:農家なら農具や農機など)が挙げられます。

自由財産拡張が認められた財産

裁判所が「この範囲までは自由財産として認める」と定めた財産です。どの範囲まで拡張されるのかは裁判所の判断によるので一概には言えません。

換価を放棄された財産

換価が難しいと判断された財産もまた自由財産として認められる場合があります。例えば土地の権利が非常に細かく細分化されていて、売却が難しいと判断された場合などが挙げられます。

このように、自己破産したからといって生活できなくなるということはありません。自由財産によってある程度の期間は生活できる程度に財産を残すことができるんだ

だけど、自己破産と聞くと結構、社会的なイメージも悪くなってしまいますよね。

そうだね。あくまで最終手段として残しておいたほうが健全だね。

まとめ

今回は会社が倒産した時の自己破産について紹介しました。要点をおさらいしましょう。

ここがポイント
  • 倒産時に借金が残っていたら自己破産で免責できる
  • 自己破産すると連帯保証人に支払い義務が移行する
  • 自己破産手続きには予納金が必要となる

以上3つのポイントが挙げられます。

「自己破産にはどのような費用がかかるんだろう?」
「弁護士に依頼しないといけないのかな?」

など会社倒産による自己破産に悩んでいる方は、この記事を読んで参考にしてください。