何か商売をしていると絶対に必要なのが「お金」。
時には一時的に運転資金が足りなくなってしまったり、また商売を拡大させるために資金(設備資金)を調達する必要があったりと、考えることは事欠きません。
そこで、今回は「銀行の融資担当者に対する効果的なアピールの仕方と、金利を1%台で借りる為の戦略」と題して、簡単に考えていきましょう。
とっておきの裏技?
「銀行の融資を受けるために、何かとっておきの裏技があるのでは!」と考えておられる経営者も多いと聞きます。
しかし残念ながら、なにか裏技的なことで融資を受けられることはありません。
とは言え、銀行から好条件で融資を引き出すのに成功している経営者も多くいらっしゃいます。では、どんな秘訣があるのでしょうか!
銀行から好条件で融資を引き出す秘訣
はじめに、銀行の融資担当者の思いを理解することから始まります。
融資担当者はロボットではありません。
私たちと同じ感情をもつ一人の人間です。
融資担当者がどのようなことを考え、行動する人々なのか、ということを理解し融資担当者の心を動かす必要があります。
融資担当者は、以下の2点をいつも考えています。
(2)少しでも貸し倒れのリスクがある会社への融資は回避したい。
こうした融資担当者の心理を理解しながら、戦略を立てていくことが必要です。では具体的な戦略を考えていきましょう。
銀行から好条件で融資を引き出す戦略①
ここでいう「戦略」とは、好条件で融資を受けるためにどんな準備をして、どのようにアピールするかという意味です。やはり何か裏技的なものはありません。
融資担当者は、決算書以上に、経営者がどんな人物なのかを気にしています。普段から、会社の現状を的確に把握し、説明できるようにしておく必要があります。
それで一つ目の戦略は、「会社に対する熱い思いを資料を通して正しく伝える!」です。
その時に、銀行にアピールできる資料も準備できると良いでしょう。例えば、会社案内、商品・サービスの説明書、事業計画書、などです。
銀行に、自社のことを分かってもらうため、会社案内や商品・サービスの説明書は良いアピール資料になります。
銀行はこうした資料を通して、その企業がどのようにして売上・利益を得ているのかを知ることができます。
また販売先別の売上高推移と、販売先別の今後の売上見込も資料として用意しておくこともお勧めです。
そうした資料は銀行に対して、「販路をしっかり確保できている」「今後も、売上は安定しそうだ」という安心感を与え、融資審査は有利になります。
さらに、事業計画書にも触れておきましょう。
銀行の融資審査の重要ポイントは「この融資に対し、この企業は返済能力があるか」です。
最後まで返済してもらえるかどうか、銀行はまず決算書を見ますが、決算書は過去の数字に過ぎず、将来の返済の見通しを銀行に保証できるものではありません(といっても保証できる完全な資料などありませんが…)。
事業計画書は将来の返済の見通しを伝えるための何よりも良い資料です。
事業計画書には、3~5年先までの、損益計画を書きます。
さらに年次の計画と、各年の月次の計画も書きます。
その計画では、数字を第一に、そしてその数字をどうやって作るかといった根拠も書きます。
それだけで十分立派な事業計画書ができあがります。
専門家が作るような高い完成度の事業計画書ではないかもしれませんが、経営者自身が作成した熱意が伝わる事業計画書の方が、高く評価されるようです。
銀行から好条件で融資を引き出す戦略②
二つ目の戦略は、「融資担当者との信頼関係」です。これはあたりまえのことかもしれませんが、融資担当者とコミュニケーションを密にとって、信頼関係を築くことが特に大切だということです。
私たちが取引先や顧客や従業員との関係を大切にするように、銀行とのつきあい方も、同じように考えるなら信頼関係は強くなっていくことでしょう。
日頃からキャッシュを無駄遣いしないように努めること、業績や財政状態を丁寧に正確に説明すること、新規事業や設備投資の計画、また懸念事項が発生した場合でも、その度に、率直に相談してみることです。
このようにして、銀行との信頼関係を構築しておくことが、仮に不測の事態が起きた場合でも、銀行が力になってくれるために必要です。
こうした努力は金利を引き下げる交渉においても功を奏するかもしれません。
まとめ
一番重要なことは、経営者として普段から取り組むべきことに、まじめにこつこつと取り組んでおくことです。
経営に対する真摯な姿勢がなければ、結局はなにもうまくいきません。
融資担当者が何を考え、どう行動する人々なのか、ということを理解し、会社の現状を的確に把握し、説明できるようにしておく準備。
さらには、そこに寄り添う姿勢と信頼関係が、有利な条件で融資を受けられる要素になっていると思います。