借金のある人が死亡したら?借金を相続放棄するための基本!

借金してる人が死亡した場合

借金をしている人が亡くなった場合、その借金の支払いはどうなってしまうのか、気になりますよね。

「死んだら借金はチャラになる?」

「遺族が借金を返さないといけないの?」

と疑問を感じている方もいらっしゃるでしょう。

そこで当記事は、借金をしている人が死亡すると返済はどうなるのか、返済義務を拒否する方法はあるのか、などを紹介していきます。

この記事を読めば、債務者が死亡した際の借金の対処方法を知ることができ、状況に合わせたベストな選択を取れるようになるでしょう。

借金の相続が気になる人や、今まさに問題に直面している人は参考にしてください。

借金をしている人が死亡した場合、返済はどうなる?

「死んだら借金は無しになるんじゃないの?」と誤解している人も多いですが、カードローン契約者で借金が残っている人が死亡しても、借金免除にはなりません。

ここからはカードローン利用中に死んでしまった場合の返済義務がどのようになるのかを詳しく解説していきます。

遺族が負債を相続する形になる

故人の遺産は「相続」という形で遺族に引き継がれます。

多くの人はプラスの遺産をイメージするでしょうが、マイナスの遺産も「相続」の対象です。

借金はマイナスの遺産として相続されることになるため、法定相続人に引き継がれる形に。

法定相続人は民法で定められた相続人のことをいい、次の3つの順位があります。

  1. 第一順位:配偶者、子供
  2. 第二順位:直系尊属(父母、祖父母)、配偶者
  3. 第三順位:兄弟姉妹、配偶者

つまり、個人の借金は配偶者、子供が最優先で相続されることになります。

仮に100万円の借金が残っていて、妻と子供の2人が法定相続人になるなら、それぞれ50万円ずつ借金も相続する形となります。

またプラスの相続とは異なり、借金は「遺産分割」の対象外です。

例えば「子供は借金を返済するだけの余裕がないので、妻が全額相続します」と債権者に主張しても、必ずしも受け入れてもらえるとは限りません。

というのも債権者は、上記した法定相続人の順位の高い人に対して借金の返済を求めることができるからです。

家族に内緒で借金をしていて、金融機関から督促状が届いて初めて発覚するケースも珍しくありません。

借金をしていることを知っていても、知らなくても、法定相続人は借金を相続し、返済する義務が生じてしまうのです。

連帯保証人がいる場合は、連帯保証人に対して優先的に返済の義務が生じることになります。

カードローンなど保証人不要の借金だと遺族が負債を相続する形となる、と覚えておきましょう。

えぇ~私、死んじゃったら借金ってなくなるものだと思ってた~

相続に関係なければ問題ないんだけどね、相続上の問題で家族に返済義務が行ってしまうんだよ・・・。

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相続放棄する方法もある

借金は「相続放棄」によって相続しないという方法も選べます。

相続放棄とは名前の通り、プラスとマイナスの両方の相続を放棄すること。

つまり借金の相続を回避できるわけです。

相続放棄を行うためには、家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出、受理される必要があります。

素人では円滑に進めるのが難しいため、弁護士や司法書士の力を借りることになるでしょう。

また上記したように、マイナスの相続だけでなく、例えば不動産(持ち家など)や証券といったプラスの相続まで放棄することになってしまいます。

そのため、トータルで判断した上で放棄した方が良いのか、返済した方が良いのかを判断する必要が出てきます。

このあたりの相談も弁護士に頼るのが良いでしょう。

相続放棄のメリットおよびデメリットをまとめると次の表のとおりです。

相続放棄の利用価値 詳細
相続放棄のメリット 負債を相続しないで済む
相続放棄のデメリット プラスの遺産も相続できなくなる

さらに厄介なことに、相続放棄の手続きを行うと、債権者は次の法定相続人に請求することができるようになります。

配偶者や子供が放棄すると、次は両親や両祖父母、その次は兄弟…といった具合に次々と返済義務が移り変わっていくため、一度全員でしっかりと話し合う必要が出てくるでしょう。

限定承認という方法もある

「借金を残されたから、さっさと遺産放棄してしまおう!」と短絡的に考えるのは危険です。

例えば持ち家や自家用車の相続も放棄してしまい、生活に悪影響を及ぼす可能性が出てくる可能性が懸念されます。

そこで用いられているのが「限定承認」という制度です。

遺産の相続には2つあり、それぞれ次のような特徴を持っています。

項目 詳細
単純承認 負債も含めすべての財産の相続を承認すること
限定承認 相続した財産の範囲内で負債の相続を承認すること

限定承認を行えば、プラスの遺産の範囲内で債務の返済を行えるようになります。

例えば持ち家の資産価値が500万円なら、500万円分だけ負債を相続し、持ち家をそのままに、500万円の借金を返済し続けていくことができる、といった具合です。

これなら生活基盤を残したまま、限定的な負債で済ませられます。

しかし限定承認は、相続人全員が承諾しなければならないことになっています。

相続する財産を全体で計算するので、一部の相続分のみ限定承認を認めるということは不可能なのです。

そのため、自分が限定承認という形を取りたくても、他の人が納得しなければ認められません。

こういった点があることから実際にはあまり利用されておらず、多くの人が「単純承認」か「相続放棄」のどちらかを選ぶ傾向にあります。

相続の方法にもいろんな形があるんですね!

相続する人が多ければ多いほど慎重に話し合ってどの方法を取るか決めるかが大事だね

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相続方法は3ヶ月以内に決めなくてはならない

借金を相続するにせよ、放棄するにせよ、相続対象の存在が発覚してから3ヶ月以内に決めなくてはなりません。

相続方法

もし相続が開始されてから、3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てを行わなければ「単純承認」として扱われることとなります。

これを知らずに「どうしよう、どうしよう…」と結論を先延ばしにすると、被相続人(亡くなった人)のプラス・マイナスの財産を強制的に相続することに!

「すぐには決められない!」という場合でも、申し立てを行えば3ヶ月間の延長が認められ、相続方法を決める猶予が生まれます。

つまり最長6ヶ月で相続方法について考えることができるわけです。

被相続人が亡くなれば生活環境などに変化が見られることもあるでしょう。

今後の展開がどうなるのか不安に思うこともあって当然です。

ですが、申立てを行わなければ3ヶ月で単純承認扱いとなってしまうことに注意しておきましょう。

借金がどれくらいあるのか調べる方法

昨今のカードローンは、家族を含めた周囲の人達に知られずに利用できます。

利用者からするとメリットとなりますが、相続人にとっては「どれくらいの借金があるの?」「他にもお金を借りていることはない?」と不安要素となりかねませんよね。

借金がどれくらいあるのかを調べる方法は「信用情報機関に開示請求を行う」のがベストです。

信用情報機関は、カードローンやクレジットカードの利用歴を登録している公的に認められた第三者機関。

現在次の3つの機関が運営されています。

  • JICC
  • CIC
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター)

信用情報機関に加盟している金融機関は、お互いのデータを登録し、同時に参照できる仕組み。

消費者金融のカードローンはJICC、クレジットカードはCIC、銀行系カードローンはKSCに加盟しています。

信用情報機関に加盟することで、カードローン・クレジットカード会社は他社借入状況や、利用状況、延滞の有無などの情報を共有できます。

これによって消費者の多重債務(複数の借金を抱える状態)を未然に防ぎ、無理なく返済できる金額の貸付ができるようになっているわけですね。

各信用情報機関の主な会員(加盟する金融機関)および開示請求にかかる費用をまとめると次の表のとおり。

信用情報機関 主な会員 開示請求費用
JICC(日本信用情報機構) ・消費者金融
・信販会社
・スマホ申込+郵送開示/1,000円
・郵送申込+郵送開示/1,000円
・窓口開示/500円
CIC ・クレジットカード ・インターネット/1,000円
・郵送/1,000円
・窓口/500円
KSC(全国銀行個人信用情報センター) ・銀行 郵送/1,000円

情報開示は会員および契約者本人のみが行えるようになっているので、通常なら相続人による情報開示は認められていません。

しかし本人が亡くなったこと、それを証明できる書類を提出することで、相続人による情報開示が認められています。

入手した開示情報を見れば、どこの会社からいくらの借金があるのかをすぐにチェックできるので、借金額を把握したい場合は試してみてください。

相続方法を決めたくても借金の額次第では簡単に決めれないからね、調べておく価値はあるよ

亡くなった人に借金があるとこんなに苦労することになるのね…

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まとめ

今回は借金をした人が死亡した際の返済義務や対処方法などを紹介しました。

ポイントをおさらいしましょう。

  • 借金は法定相続人に相続される
  • 相続放棄の手続きで借金の相続を拒否できる
  • ただしプラスの相続も放棄することになるので判断が難しい

以上3点が本記事の要点となります。

「借金を家族に残してしまったらどうしよう?」

「家族が借金を残したまま亡くなってしまった…どうなるの?」

といった方は、この記事を参考に、残された借金をどのように対処するのか判断してくださいね。